「Kindle Unlimited」は"limit"がありすぎて使い物にならない
unlimitedとは
- 際限のない、限りない、無限の、広々とした、制限のない、無制限の、絶大な、過度の、非常な
※漫画
を読むためにKindle Unlimitedを体験した感想を書いたブログです
Kindle Unlimited の無料体験
電子書籍に関して手元に何も残らない0と1の情報を買うということに抵抗を覚える人は少なくないだろう。 自分もKindleを使い始めるその瞬間までは抵抗があったし、 Amazonポイントで書店で買う値段より約2割ほど安くなる利点がなかったら一生使わなかった筈である。
kindleの電子書籍は通常よりも少し安い上、約2割ほどのポイントが付く
そういった古臭い考え方を持っている人間にとって(自分も含めてであるが) 月1000円ほどで"無制限"に本が読めると銘打っている「Kindle Unlimited」は電子書籍への入門として非常に魅力的なサービスになるはずだ。
年の暮れに「年末年始はKindle Unlimitedで本を読もう」 と如何にもなプッシュ通知をスマートフォンに飛ばしてきたAmazonであるが、 天下のAmazon様がやっている電子書籍のサービスである。 「読める本が少ない」ということは何度も他のブログなどで見ていたが、Amazonという箔が付いている以上期待をしていたことは否めない。 何より「賭博黙示録カイジ」が13巻全部読めるという話を聴いた時点で、月額1000円を一回払う価値はあると自分の中では考えていたのだ。
それが1ヶ月無料で体験できるとなればこれはもう登録してみる他ないと体験開始ボタンをクリックしたのである。
Unlimitedの意味するもの
使ってみてまずはじめに感じたことが「Unlimitedの対象となっている本が少ない」である。
この時点ですでに読める本に limit
があるように感じられるが、お金儲けのためのサービスで慈善活動ではないことを考えれば、
人気作品がある程度Unlimitedの対象になっていないのも致し方なく思える。
しかしながら本当に少ないのである。 数だけでは約12万冊と多くあるように思えるが、自分みたいな本や漫画をあまり読まない人間からすると知っている作品が殆どないのだ。
後々調べてみると、どうやらKindle Unlimitedでは出版社に対して以下のような契約を結んでいるらしい
- 年末までは本が読まれた場合、普通に売った時と同じ料金をAmazonが出版社に支払う契約になっていた
- 通常、Kindle Unlimitedでは読まれたページ数に応じて利益が支払われるが、出版社向けの契約では、全体の10%が読まれたら1冊読んだことにするとしていた
頭が弱い自分でも、人気のある面白い作品ほど出版社に対してお金を払わなければならないことはわかった。 そして、人気が高く出版社に対して支払わなければならないロイヤリティーが莫大になりうる作品がUnlimitedの対象になりえないということもそこから容易に想像することができた。
言ってしまえばKindle Unlimitedの対象に人気の高い面白い作品は少ないということである。 過去の一部の名作などを除けばほとんど読まれないような作品しか残っていないのだ。
たまに知っている名前の漫画が対象リストの中にでてきたかと思えば、 無料なのは3巻までといったまるで無料体験版のような売り方をしてくる。
「この作品はUnlimitedで読めるけど、この作品はお金で買って読んでね」という売り方ならば名前にUnlimitedが入っていてもまだ理解できるが、 「この作品もその作品も3巻までは読めるけど残りは買ってね (既刊13巻)」という売り方では、一体どこがUnlimitedなのか全く理解できない。
月初めの入れ替え
かなり声を立ててKindle Unlimitedを批難してきたが、 上記に書いてあるように個人的には無料期間にカイジを読めればそれでよかったので、 それだけならこんなブログ記事を書くことはなかっただろう。
ところがそれだけではなかったのだ。
年明け早々カイジを読もうとKindleを開くと、消えていたのだ。 カイジ4巻以降のサムネイルからKindle Unlimitedの文字が。
どうやらAmazonは月初めに人気作品の削除を行うらしい。 あえなくカイジは目をつけられ牙をむかれたのである。
3巻以降無料でなくなったカイジ
Kindle Unlimitedはクソだ
年明けそうそう検索履歴を汚される
カイジを読めなかったことに対する怒りに身を任せてこのブログを書いている印象を受けるとは思うが、 それを差し引いたとしてもKindle Unlimitedに月額1000円払う価値があるとは思えない。
それはあくまで漫画だけでもとを取ろうとした場合の話ではあるので、 話半分で聴いてもらったほうがありがたいのだが、各ジャンルの中で一番冊数が多いコミックでこれなのである。 他のジャンルに関しても大きな期待はできないだろう。
そもそも、コミックの次に数が豊富なのがアダルトな時点で察しなのだから。
むっつりすけべにはオススメのサービスなのかもしれない
今後の動向に期待
期待というほど期待はしていないが、どういう事になっていくのか興味はある。 このラインナップでユーザーを満足させていくのは困難だと私は考えているので、 大きな転換期があってもおかしくないだろう。
個人的な理想を語るならば、話題の作品なども少しでいいので無料で読めるようになって欲しいと切に願う。 単に読める冊数だけでUnlimitedかどうかを決めるのではなく、その質などすべて考慮した上でUnlimitedと銘打ってほしい。
そう思いつつ、私は「ひめゴト」をただひたすらに読むのであった。